くるま座の皆様

「企業局が民営化するってさ」の記事からの引用です

留守中に重要な対応にご奮闘くださり、ありがとうございました。30日もオンライン会議に参加できず申し訳ありませんでした。この会議の内容をまた教えていただけましたらありがたいです。

以下の文章は、不当な棄却を報じた署名サイトに引用文を付けたFacebook投稿です。

いよいよ闘いが決する年、本年もどうぞよろしくお願いいたします。

森 一敏

「棄却」残念… 直接住民自治制度はいつ機能する?

 住民監査請求は、住民が、自治体の財務管理・執行結果を舞台として、直接に行政行為に異議を申し立てる自治制度だ。これに対し、監査委員会は住民の側に立ち、独立性を持って独自に内容審査することを避けているかのようだ。

2019年6月の議会から1年半。7回の本会議、所管の建設企業常任委員会、ガス事業・発電事業民営化に関する特別委員会、さらには企業会計決算審査特別委員会での質問を通じて分かってきたことは、2016年に策定した「企業局経営戦略2016」(2025年までの行動計画)を中折れさせたということだ。

 ここには、エネルギー市場の完全自由化を既に織り込み、その対応戦略として、企業局自身が大胆な経営手法の転換を図り、総合ライフライン事業者として市民にインフラ責任を果たすとしていた。

 一方、コンサルタント業務に呼び込まれた英国本社のPwCアドバイザリーは、コンセッションを含む民間譲渡の道を示唆誘導しながらも、両事業には差し迫った譲渡の必要性を認めず、都市ガスの需要持続性、環境優位性を評価し、人口減少の影響を受けても、令和10年になお5.5億円の黒字事業を予測している。ガス小売事業は、構造上民営化しても経営改善は難しいとも明言して、民間譲渡が必ずしも解決策にはならないことを隠してはいない。

 水力発電に至っては、地球温暖化対策の要請から、相対的価値は高まり、金沢市の水力発電所は、自らが小売売電することにより、その収益、資産価値を大きく伸ばす可能性が高いと評価している。

作新学院名誉教授の太田先生、京都大学の中山琢夫先生ともに、金沢の企業局は、最もドイツのシュタットベルケ(地方総合ライフライン公社)に近いと指摘している。シュタットベルケとは、民営化の弊害から再公営に踏み切ったドイツのスタンダードな公共事業体であり、出資を含めた住民参加、住民への利益還元、地域経済循環を果たして成長している。

 世界の再公営化の潮流については、何度も議場で言及してきた通りだが、金沢市・企業局は国情報に頼り、直視しようとしない。

 視察先の自治労の公営企業局長は、公営事業の活性化のために、総務省に公営企業法の改正、制度の柔軟化を求めている。民間企業にだけフリーハンドを与え、公営企業は縛り続けているのはアンフェアだと。それでも、現行法でもやれることがあるとも指摘した。

 金沢市は、公営企業では新たな経営は何もできないかのように説明しているが、総務省、経産省も、困難は伴っても、ガスと電気のセット販売は法的制約なし、発電事業からガス事業への利益の移転は、投資、貸付で可能とか、公営企業のままで電力の小売も法的制約なしと答えている。しかも、これらの調査結果は、企業局公営企業管理者から報告されたのではなく、同コンサルタント業務の調査報告書から、議員サイドで探り出した事柄であり、当局の民営化路線には「不都合な真実」なのだ。

住民監査請求提出者の皆さんが、監査委員会な問うたのも、こういうことを独自に検証してほしいということだったと思う。

 一旦民営化し、民間独占が進めば、自由化の恩恵はおろか、ライフラインの保証もおぼつかなくなる。水貧困、エネルギー貧困という言葉が生まれたのだ。これが大枚の税金をはたいて再公営化を余儀なくされた欧米の先行経験なのだ。

 金沢市は、この事実を率直に認めず、公営亡き後の民間独占の行方を見ようともしない。わずか10%未満の出資、5年間の料金維持の約束で、公共的ガバナンスをどうやって効かせられるというのか⁈ そこに最大の無責任がある。

企業局経営戦略2016には、シュタットベルケに通じるような公共的総合ライフライン事業者となって、市民に貢献する自由化時代を切り拓こうとの意思が込められた。だが、それを諦めさせ、道を閉ざす力が加わった。公的な計画が、総括なしに反故にされるのは理解に苦しむ。

 背景に安倍ー菅新自由主義による公営企業解体路線・竹中路線が透けて見える。

民間譲渡が決するのは、来年6月議会での関連条例の改廃による。まだ半年ある。

 ガス事業は、「公共性の高い施設」であり、市有財産条例からの廃止には出席議員の3分の2以上の賛成が必要だ。13人の不承認で廃案になる。水力発電の譲渡にはさらに疑問を持つ議員は多い。

 基礎自治体である市が、水力発電事業を営み、ガス事業と共に100年以上の歴史を刻んでいる。稀有な金沢市だ。ますます高まる地域エネルギー自治。先駆的なエネルギー自治政策に市民が参加する新しい展開を私は夢見る。絵空事ではない。

市民連絡会の皆様

留守中に重要な対応にご奮闘くださり、ありがとうございました。30日もオンライン会議に参加できず申し訳ありませんでした。この会議の内容をまた教えていただけましたらありがたいです。

以下の文章は、不当な棄却を報じた署名サイトに引用文を付けたFacebook投稿です。

いよいよ闘いが決する年、本年もどうぞよろしくお願いいたします。

森 一敏

「棄却」残念… 直接住民自治制度はいつ機能する?

 住民監査請求は、住民が、自治体の財務管理・執行結果を舞台として、直接に行政行為に異議を申し立てる自治制度だ。これに対し、監査委員会は住民の側に立ち、独立性を持って独自に内容審査することを避けているかのようだ。

2019年6月の議会から1年半。7回の本会議、所管の建設企業常任委員会、ガス事業・発電事業民営化に関する特別委員会、さらには企業会計決算審査特別委員会での質問を通じて分かってきたことは、2016年に策定した「企業局経営戦略2016」(2025年までの行動計画)を中折れさせたということだ。

 ここには、エネルギー市場の完全自由化を既に織り込み、その対応戦略として、企業局自身が大胆な経営手法の転換を図り、総合ライフライン事業者として市民にインフラ責任を果たすとしていた。

 一方、コンサルタント業務に呼び込まれた英国本社のPwCアドバイザリーは、コンセッションを含む民間譲渡の道を示唆誘導しながらも、両事業には差し迫った譲渡の必要性を認めず、都市ガスの需要持続性、環境優位性を評価し、人口減少の影響を受けても、令和10年になお5.5億円の黒字事業を予測している。ガス小売事業は、構造上民営化しても経営改善は難しいとも明言して、民間譲渡が必ずしも解決策にはならないことを隠してはいない。

 水力発電に至っては、地球温暖化対策の要請から、相対的価値は高まり、金沢市の水力発電所は、自らが小売売電することにより、その収益、資産価値を大きく伸ばす可能性が高いと評価している。

作新学院名誉教授の太田先生、京都大学の中山琢夫先生ともに、金沢の企業局は、最もドイツのシュタットベルケ(地方総合ライフライン公社)に近いと指摘している。シュタットベルケとは、民営化の弊害から再公営に踏み切ったドイツのスタンダードな公共事業体であり、出資を含めた住民参加、住民への利益還元、地域経済循環を果たして成長している。

 世界の再公営化の潮流については、何度も議場で言及してきた通りだが、金沢市・企業局は国情報に頼り、直視しようとしない。

 視察先の自治労の公営企業局長は、公営事業の活性化のために、総務省に公営企業法の改正、制度の柔軟化を求めている。民間企業にだけフリーハンドを与え、公営企業は縛り続けているのはアンフェアだと。それでも、現行法でもやれることがあるとも指摘した。

 金沢市は、公営企業では新たな経営は何もできないかのように説明しているが、総務省、経産省も、困難は伴っても、ガスと電気のセット販売は法的制約なし、発電事業からガス事業への利益の移転は、投資、貸付で可能とか、公営企業のままで電力の小売も法的制約なしと答えている。しかも、これらの調査結果は、企業局公営企業管理者から報告されたのではなく、同コンサルタント業務の調査報告書から、議員サイドで探り出した事柄であり、当局の民営化路線には「不都合な真実」なのだ。

住民監査請求提出者の皆さんが、監査委員会な問うたのも、こういうことを独自に検証してほしいということだったと思う。

 一旦民営化し、民間独占が進めば、自由化の恩恵はおろか、ライフラインの保証もおぼつかなくなる。水貧困、エネルギー貧困という言葉が生まれたのだ。これが大枚の税金をはたいて再公営化を余儀なくされた欧米の先行経験なのだ。

 金沢市は、この事実を率直に認めず、公営亡き後の民間独占の行方を見ようともしない。わずか10%未満の出資、5年間の料金維持の約束で、公共的ガバナンスをどうやって効かせられるというのか⁈ そこに最大の無責任がある。

企業局経営戦略2016には、シュタットベルケに通じるような公共的総合ライフライン事業者となって、市民に貢献する自由化時代を切り拓こうとの意思が込められた。だが、それを諦めさせ、道を閉ざす力が加わった。公的な計画が、総括なしに反故にされるのは理解に苦しむ。

 背景に安倍ー菅新自由主義による公営企業解体路線・竹中路線が透けて見える。

民間譲渡が決するのは、来年6月議会での関連条例の改廃による。まだ半年ある。

 ガス事業は、「公共性の高い施設」であり、市有財産条例からの廃止には出席議員の3分の2以上の賛成が必要だ。13人の不承認で廃案になる。水力発電の譲渡にはさらに疑問を持つ議員は多い。

 基礎自治体である市が、水力発電事業を営み、ガス事業と共に100年以上の歴史を刻んでいる。稀有な金沢市だ。ますます高まる地域エネルギー自治。先駆的なエネルギー自治政策に市民が参加する新しい展開を私は夢見る。絵空事ではない。

 住民自治の力を集めよう。住民自治の出番を歴史に刻もう。